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ネットとリアルの温度差

10月から出版社に復帰した。関係各所には、まだきちんと挨拶をしていない。
それは、年末くらいまでにかけて、機会があれば挨拶しなければいけない。

それはそうと、出版社に戻っての楽しみは、いろいろな書籍の売り上げデータが見られること。
6年ほど前に出版社にいたときは、自分がかかわった書籍の売れゆき全部、ほかの人やほかの出版社のデータはある程度の売れ数を知ることができた。この状況は、いまも変わっていなかった。

肝心の中身を見てみて、出版社の現況を知ることができた。確かに右肩下がり。斜陽である。
ただ、以前とは違う状況も見られた。それは、Amazon。

この6年で Amazon の売り上げは、日本でいちばん大きな書店チェーンといわれている紀伊國屋書店の売り上げを、軽く抜いていた。すっかり、ネットで買うことが浸透している。POSのデータを見ても、Amazon のシェアが大きくなった。

まだ Amazon の売上が小さかったとき、Amazon で売れる書籍と、紀伊國屋書店で売れる書籍が違うといわれていた。
この状況は、今もそれほど変わっていなかった。そこが、なんとも面白い。

Amazon やネット上でキャンペーンを行っても、紀伊國屋書店では、思ったほど売れない。
でも、紀伊國屋書店の平台をバンバンとっているような書籍は、Amazon でも売れる。

ネットとリアル店舗の違い。
この構図が、それほど変わっていなかったことに、なんだがホッとした。
自分が立てる企画は、いつもこの構図を参考にしていた。それが変わっていなかったことがなんだかうれしくなった。

何がうれしいかと考えると、ネットが、まだまだリアル書店で、本領を発揮していない点。
まだまだ、勝機はあると思う。

テレビなどのマスメディアで取り上げられた書籍やネタ本は、Amazon で上位にくることが多々ある。たとえば、ダイエット本など。おなじように、リアル書店でも、同じように売れる。

一方で、ネットだけ盛り上がっている書籍やネタ本は、Amazon ではそこそこ売れ行き好調だけど、リアル書店ではあまり活発な動きがない。もちろん、全部が全部ではないけど。

ここがいちばん面白い。そして、書籍の企画を考える上で、非常に重要になってくる。

具体的に見ると、Twitter の関連書はいまが勝機と、時を同じくして、各出版社がこぞって出し始めた。これはネットでの盛り上がり、深夜番組などでの取り上げなど、Amazon では、売り行き上位に顔を出したりしている。
もう一方、今や誰もが知っている飽和状態である iPhone の関連書は、リアル店舗でも、ネット書店でも売れている。前にお世話になった、堀さんと佐々木さんの「iPhone 情報整理術」などは、お二人の活動、編集者やデザイナー、版元の営業力もあって、Twitter 関連書の上をいく売れ行きが確認できた。数字は公表できないけど。

ボクは Twitterもやってるし、iPhoneも持っている。ネットで書籍をバンバン買うし、リアル書店でもよく書籍を購入する。職業柄、普通に書籍を購入する読者とは違うけど、この違いを感じて、書籍を作ることは大切だと思って、常に意識している。

ネットとリアルの温度差。

これって、マーケティングをやっている人は、どうやって感じているんだろう。
一方だけを見ていると、きっと片手落ちなんだろうな。

久しぶりに紀伊國屋書店Publineを見て、そんなことを考えた一日。
Kindle 買おうかな。

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